病院実習

行ってきました。まぁ、実際は実習というより見学なんですが。
とりあえず、学ぶべき所は多かったけど、いい印象ではなかったというところか。

どの看護師さん達もいい仕事してるんだよ。患者さんとしっかり視線を合わせて接したり、丁寧な清拭を見せてくれたり、上手く喋れない患者さんの唇を読んだりとか、ミスが起こらないように複数の看護師で二重三重に点滴や薬剤を確認したりとか、お見事としか言いようがない。
実習先は、かなり看護師教育に力を入れてる病院だったそうで、その成果を存分に見せてもらいましたよ、ええ。

ただねぇ〜、そこに医者が絡んじゃうと途端にダメになるんだよなぁ（汗）
朝の回診のとき、手術後の患者さんの経過を見るために、医師と看護師数人がその患者のところに来たんだけど、全員で立ったままグルッと周りを取り囲んでいたのにまず驚いた。
患者さんと接するときは、威圧しないように体をかがめるなどして、なるべく視線を合わせるようにするってのは、看護の勉強してるなら一年生でも知ってることなのだけど、医者はそういうことは教えてもらってないみたい。
でも、それなら、看護師さんがもう少し気を利かせてくれればいいのだけど、一緒にいた看護師さん、その病棟の婦長さんだったんだよね。婦長クラスでさえ医師には何も言えない立場なのか、それとも言っても無駄だと諦めているのか…。いずれにせよ、いきなりゲンナリだった。

極めつけは、胸腔（肋骨の内部、肺の周辺のこと）内の洗浄を行ってた患者さんに対しての行動か。
患者さんの胸の下あたりに、洗浄液を内部に注ぐチューブを繋ぐ器具が取り付けられているのだけど、一連の作業が終わったあとに、その箇所を医師が消毒しようとしたんだよ。そしたら、何を思ったのか、消毒液をつける前に医師がその箇所をタオルで拭いたわけ。でも、そのタオル、患者さんの陰部を拭いたやつなんだが…。消毒する前に、ヤバイ場所になんてものを当てるんだ（汗）
医師が清拭のタオルの用途を知らないのは仕方がない。ただ、そこに看護師がいるのに、どうしてそれを止めないのか。その陰部を拭いたタオルを掴んだ時点で俺でも「ま、まさか！」とか思ったのだから、現役の看護師が気づかないはずがないだろう。
結局、患者さん本人が「それ、股を拭いたタオルなんで…」と止めるまで、医師はそのタオルで器具の周辺を拭いてたよ。
自分が何も言えなかったのは、下手に現場の人を怒らせて学校に変な報告されるのが嫌だったからなのだが、きっとその看護師さんも色々な事情で何も言えなかったんだろう。多分。

まぁねぇ、このくらいのことはあるだろうと予想はしてたよ。学校に入る前から。でも、日々の看護至上主義の綺麗事を並べてばかりの講義の連続で、そういう冷静さを忘れていた。だから、印象は悪くても、これはいい経験だったんだと思う。きっとね。